パッションフルーツ
甘酸っぱいトロピカルフルーツの中でもパッションフルーツの風味はまさに王道。ほどよい甘みに爽快な酸味だけでなく、種の周りのゼリー感で新感覚のデザート・飲料に。
パッションフルーツは情熱の果物?
パッションフルーツ(passion fruit)は、ハワイや東南アジアなどで栽培されているトロピカルフルーツで、その名前と熱帯地方で栽培されていることからパッション(情熱)フルーツと思われがちですが、その名前の由来はパッションフルーツの特徴的な花の形にあります。
16世紀に修道士が南米でパッションフルーツの花を初めて見たときに十字の形の雌しべの上にY字型の雄しべがあることから、「キリストの受難の花(passiflora)」と呼んだからと言われています(諸説あります)。
和名はクダモノトケイソウ(果物時計草)。3つに分かれたY字型の雄しべが時計の時針・分針・秒針のように見えるからと言われています。
パッションフルーツは、ブラジル原産のつる性の果物で、熱帯・亜熱帯の各国で栽培されている他、日本では沖縄、小笠原諸島、奄美大島等で栽培されています。主に果皮が紫色の品種と黄色の品種が栽培されています。紫色の品種は酸が少なく生食用として主に用いられ、黄色の品種は糖酸のバランスが良く、また加工特性が良いのが特徴です。
割ると中にゼリー状の果肉と黒い種があり、トロピカルフルーツで最も香りの良いフルーツとして知られています。その芳香を活かしてジュースやゼリー、ソース、リキュールなどに利用されています。
種に様々な栄養成分が含まれており、種ごと食べることで様々な効果が期待できます。
注目の美容成分
パッションフルーツに豊富に含まれるポリフェノール、その中で最近注目を浴びているのが種に含まれているピセアタンノール。赤ワインに含まれ長寿遺伝子を活性化させる効果で知られるレスベラトロールと非常によく似た構造を持っていて、パッションフルーツにも同じような効果が期待されています。
レスベラトロールは1940年に発見され、1992年に赤ワインに含まれることが報告されました。1997年にガン予防作用が報告されたことを契機に爆発的に研究がされており、細胞分裂に関するタンパク質に作用して寿命延長をはじめとする様々な作用を示すと考えられています。現在では以下のような効果が報告されています。
- 血管を拡張させることで新血管疾患の予防に期待
- メラニンの合成を阻害することでシミなどの予防に期待
- サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)を活性化することでアンチエイジング効果に期待
このピセアタンノールはパッションフルーツの種に含まれています。種ごと食べることで様々な効果が期待できます。